探偵の仕事内容といえば、依頼者の相談に対する調査が基本的な業務です。しかし、ターゲットから身を隠して活動するという性格上、ミステリアスな仕事というイメージが強いかもしれません。
そこで、探偵はどのような調査をおこなっているのか、またその方法など、リアルな仕事の内容をご紹介します。
探偵が実施する調査の種類
多くの探偵社で請け負っている、一般的な調査業務をいくつかご紹介します。なお、調査の呼称は探偵社により異なる場合があります。
浮気調査
もっとも依頼の多い調査です。交際相手より配偶者が浮気しているかどうか、またその証拠を入手してほしいという内容が大半といわれます。ほかにも、子どもや友人の浮気を心配する相談もあるようです。
おもにターゲットの尾行や張り込みで、情報収集したり証拠写真を撮影したりします。結果は報告書にまとめて報告会をおこないます。くわしくは以下の記事を参照してください。
結婚調査(身辺/素行調査)
彼氏・彼女が結婚相手として信用できる人物かを調べるものです。子どもが結婚に失敗しないよう、親御さんが交際相手の調査を依頼するパターンもあります。おもに、つぎのようなことが分かります。
- 家族構成や出身地、生まれ
- 学歴や職歴を詐称していないか
- 本人や家族の浪費癖や借金の有無、思想や信教など
- 離婚歴や中絶の経験、子どもの有無を偽っていないか
- 問題のある趣味などがないか(ギャンブルや風俗など)
行方調査(所在調査)
連絡の取れなくなった人物の所在や、失踪した相手を捜索するといった調査業務です。おもに、つぎのような人物を探してほしいという依頼があります。
- 疎遠になっている家族や親戚
- 恩人や恩師
- 学生時代に仲が良かった友人
- 音信不通になった家族や交際相手
- お金を貸した相手や詐欺師
依頼者から写真や名前など分かる限りの情報を提供してもらい、それをもとに聞き込みなどをおこなって対象者を探します。
雇用調査
自社での雇用を検討している人物に対し、問題のない人物かどうかを企業側が調べるときに利用するものです。たとえば、ターゲットである人物のつぎのようなことを調査します。
- 職歴
- 職務状況
- 退職理由
- 周囲からの評判や人柄
信用調査
個人や企業の経済に関する調査です。取引可否を決定する際の判断材料として利用されます。新たに取引をおこなうことを予定している相手、企業の以下のような情報を調べます。
- 実在する企業かどうか
- 支払い能力、経営状況
- 違法性がないかどうか
- 債務超過になっていないか
- 経営者に関する情報(学歴、職歴、不動産など)
探偵のおもな業務と調査方法
では、探偵の実際の業務はどのようにおこなわれているのかを紹介します。
張り込み・尾行調査
浮気調査の場合、張り込みや尾行がメインになります。そのなかでも、調査の大半の時間を費やすのが張り込みです。調査時間の9割以上が張り込みになるということもよくあります。
というのも、ターゲットが外出しないこともよくあるためです。基本的に、調査時間内にターゲットが外出するまで張り込み→出かけたら建物に入るまで尾行→出てくるまで張り込みとなります。
また浮気相手と宿泊した場合、徹夜で張り込むこともあります。尾行時間のほうが長くなるのは、ターゲットが遠方に出かけるケースくらいです。
聞き込み調査
最近は固定電話のない家庭や、番号を非公開にしているケースも多いです。電話で済まない場合は直接出向いて聞き込みを実施します。また、写真などを撮影するために出向くこともあります。
聞き込みは一日に数か所を回ることも多く、話を聞きたい相手が訪問時に留守ということもあるので、帰宅するまで深夜まででも根気強く待たなくてはなりません。
電話での調査
雇用調査などは、電話での聞き込みしかおこないません。実際に出向いて話を聞くことはまれです。基本的に各社や近所の人に電話したりして話を聞きます。
依頼料も安く、電話だけなので1時間程度で調査が済むこともあるようです。とくに所在調査など「所在のみ知りたい」などのカンタンな依頼なら、電話1本、数分で済むこともあります。
報告書の作成
調査のほか、報告書の作成も探偵の仕事です。調査結果や証拠をまとめ、依頼者に報告会を実施します。報告書は尾行調査(張り込み・尾行)と内偵調査(聞き込み調査)では、かなり内容が違います。
尾行の報告書の内容
- 時系列で起こったことを羅列
内偵の報告書の内容
- 対象者の学歴、職歴、居住歴など
- 性格、人柄、思想、エピソードなど
まとめ
探偵はミステリアスな仕事と思われがちですが、じつは張り込みや聞き込みなどがメインで、それほど特別なことはしていないのです。しかし、誰でもできることではありません。
ターゲットが動くのを忍耐強く待ち、足を使って話を聞いて回り、ときには休みなく調査をすることもある大変な仕事です。そのため、それ相応の調査費用が掛かるということですね。